中国での暗号化製品の使用について
近年、多くの日本企業が中国とのビジネスを活発に展開するなか、日本から中国の現地法人、関連企業に出張または駐在のために派遣されるスタッフが、日本の本社と業務上の連絡をとるために、中国国内にノートパソコンなどを持ち込むことは珍しくありません。また、ノートパソコンには、万が一の盗難/紛失、置き忘れなどに備えて、ユーザー認証(ID/Password、PKI、USBキー、ICカード、生体認証)、データ/ファイルの暗号化、メールの暗号化、アクセスコントロール、コピープロテクトなどの情報漏洩防止対策が施されているものが増えています。
さらに、中国における製品の研究開発、ソフトウェアのオフショア開発も急増しており、中国国内でも日本国内と同等に、設計図、新製品情報、技術情報、顧客情報などの重要情報を暗号化し、十分な情報セキュリティ対策を施したビジネス環境、開発環境を整えたいというニーズが高まっています。
中国では『商用暗号管理条例』(国務院令第273号)により、海外で生産された暗号化製品(暗号化ソフト)の中国への持込み及び中国での使用については、国家暗号管理機構への申請、許可が必要になります。また、日本からの出張者が中国に暗号化製品(暗号化ソフトを搭載したノートパソコンなど)を持ち込み、使用する場合も、事前に申請、許可が必要とされます。
中国での暗号化製品の使用申請に関する注意点
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日本からの出張者が、日本で使用している暗号化製品を、中国国内で使用するためには、国家暗号管理局所定の「国外組織又は個人の暗号化製品使用申請登記表」に中国語で記載しなければならない。 |
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申請に際しては、中国で使用する会社の登記謄本または営業許可証のコピーを添付することが求められるため、日本からの出張者は許可申請できず、中国企業側で申請しなけれならない。 |
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「使用申請登記表」には
・ どのような暗号化ソフトなのか(機能、主要性能、使用暗号化技術の種類等)
・ どこの製品か(生産企業名、販売企業名、ソフトウェアバージョン)
・ 中国のどこで、いつから使用するのか(使用場所、使用開始予定日)
などの情報について、すべて中国語で記載することが求められる。
したがって、使用する暗号化製品に関する情報を、ベンダー等を経由して取得することが必要とされる場合、申請に必要な情報をすべて取得するまで、相当な時間と労力を要することがある。 |
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暗号化製品(設備)を中国に持ち込み、通関する場合、併せて「暗号化設備輸入許可証」の取得が必要とされる。 |
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「申請登記表」および添付資料は、使用する会社所在地の省、自治区、直轄市の暗号管理機関に提出する。
(管理機関での初回審査を経て、国家暗号管理局での最終審査、「使用許可証」「輸入許可証」の交付まで、少なくとも2〜3週間を要する) |
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中国における暗号化製品に対する規制は、「製品と申請者」との組み合わせで実施されており、既に許可された製品と同一のものを、別の会社で使用する場合にも、使用する会社毎に申請が必要とされる。また、一度使用許可を受けた会社が、別の製品を使用する際にも、新たに申請・許可が必要とされる。 |
暗号化製品の使用に関する規制の実態および手続きの概要
中国国内で生産された暗号化製品 |
対象使用 |
使用規制 |
必要な手続き |
中国国内の組織 |
中国国内で自由に使用できる。 |
なし |
中国国内の個人 |
中国国外の組織(注1) |
審査許認可を経て初めて中国国内で使用できる。 |
国家暗号管理機構(注3)に、暗号化製品使用登記を行い、「国外組織又は個人の暗号化製品使用許可証」を取得しなければならない。 |
中国国外の個人(注2) |
中国国外で生産された暗号化製品 |
対象使用者 |
使用規制 |
必要な手続き |
中国国内の組織 |
外商投資企業(注4)に限り、中国国外の投資者との間で、内部業務情報に対する暗号化保護又は安全認証のためにのみ使用できる。 |
国家暗号管理機構に、国外製造の暗号化製品使用登記を行い、「国外生産の暗号化製品使用許可証」を取得しなければならない。 |
中国国内の個人 |
中国国内で使用してはならない。 |
申請を受け付けない。 |
中国国外の組織 |
審査許認可を経て初めて中国国内で使用できる。 |
国家暗号管理機構に、国外生産の暗号化製品使用登記を行い、「国外組織又は個人の暗号化製品使用許可証」及び「国外生産の暗号化製品使用許可証」を取得しなければならない。 |
中国国外の個人 |
(注1) |
「国外の組織」とは、中国以外の国・地域(香港、マカオ、台湾を含む)で登録されている企業、団体、政府機構、その他の組織を指す。ただし、外国の在中国外交代表機構、領事機構は対象外とする。 |
(注2) |
「国外の個人」とは、外国籍を有する者を指し、外国企業から外商投資企業や現地駐在事務所に派遣され、駐在している人員のほか、中国への長期出張者を含む。 |
(注3) |
「国家暗号管理機構」とは、国家暗号管理局及びその弁公室を指す。 |
(注4) |
「外商投資企業」とは、外国投資者が出資して設立した現地法人を指す。合弁企業、合作企業、100%外資企業などがある。 |
申請から許可証取得までのフローチャート
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